歯石取り(スケーリング)
2012 / 04 / 30 ( Mon ) しばらくぶりの更新です。
ここ最近は気候も良く、お散歩がてら来院される方も多くなってきました。 さて、今回はまた歯石取りのお話です。 うちの猫3兄妹の末っ子、ゆきのスケーリングを先日実施したので、 写真も交えてご説明差し上げたいと思います。 ![]() もちろん全身麻酔をかけないと行うことは出来ませんので、 血液検査で安全性を確認した上で麻酔をかけます。 入っていっている透明な管から、麻酔ガスと酸素を送り、二酸化炭素を排出します。 ご覧のように、ワンちゃん猫ちゃん共に、上の奥歯の外側がもっとも汚れが付きやすいです。 ゆきの歯も、10年来の汚れががっちり付いて、上の歯肉(歯茎)に炎症を起こさせていますね。 他の歯は一見綺麗ですが、処置は全ての歯で行います。 ![]() 超音波スケーラーと呼ばれる機械で、歯石を粉砕、除去していきます。 この際、少し歯肉をめくって潜り込むようにして、見えない部分の汚れもしっかり落とします。 多少出血はありますが、口内の出血はすぐに止まりますので心配は要りません。 ![]() その後、ポリッシャーと呼ばれる機械で、研磨剤を塗った歯の表面を磨いていきます。 歯石を取った後の歯の表面は、目に見えない細かい傷がたくさん付いているので、 今後汚れが付いて歯石が再発しにくいように、しっかりつるつるに磨きます。 ![]() その後口内を綺麗に洗浄して汚れを流した後、 持続型の抗生剤のジェルを歯と歯肉の間に詰めていきます。 大体一週間ほど抗生物質が出てくる細かな粒子が含まれています。 ![]() 最初にお見せした汚れが綺麗に落ちているのが分かるかと思います。 比較用にもう一度お見せします。 ![]() 歯肉のはれと赤みはこの後徐々に引いて、本来の綺麗なピンク色に戻っていきます。 この作業を、全ての歯の左右両面で行っていきます。 汚れの程度によりますが、この位であれば20~30分程で終了して麻酔を覚まします。 もっと重度になると、グラグラな歯を抜いたり、歯肉を切開、縫合する場合もあるので、 どうしても麻酔時間は長くかかってしまいます。 毎日の歯のケアをきちんと行っていても、長年かけて少しずつ汚れはたまっていきます。 もちろん、何もケアをしていなければ、汚れの付く速度は速いです。 予防のためには、人間の食べ物は与えない、できればドライフードを主食に、 歯磨きガムを適度に与える、小さい頃から食後の歯磨きの習慣をつける、等があります。 歯磨きのポイントは、今日お見せした場所の他にも、犬歯(いわゆるキバ)の外側、 上顎の真ん中の中くらいの歯の外側が特に汚れが付きやすいので、 重点的に綺麗にしてください。 それでも汚れが付いてしまった場合は、やはり全身麻酔の上で歯石取りを行うしかありません。 数年に一度のペースで、歯石をすっきりさせて帰られるワンちゃん猫ちゃんも増えています。 その他の健康状態に問題ない子であれば、大抵お泊りは必要ありません。 4/8の当ブログでもお話しましたが、歯石は口内だけではなく、 大切な臓器をも傷めてしまう原因となります。 もちろん、口臭もかなり軽減されますよ。 毎日のケアと、定期的な病院でのチェックを行われることをお勧めいたします。 当院でもご相談に乗らせて頂けますので、気になる方はお気軽にご連絡ください。 |
胃内異物
2012 / 04 / 21 ( Sat ) 先日、何度も血の混じった吐き戻しをしてしまう猫ちゃんが来院されました。
お水とご飯は何とか取れますし、便も一応出ているのですが、 レントゲン上で、胃にご飯とは異なる怪しい影が見られました。 一日絶食して頂いても影が消えなかったので、 不完全閉塞を疑い、ご相談の結果、手術をすることになりました。 飼い主様のご好意により、手術中の写真を掲載することを許可して頂きました。 以下、血液や内臓などの刺激の強い画像が 掲載されていますので、 苦手な方はご覧頂かないことをご注意申し上げます。 ![]() 全身麻酔後、お腹の毛を綺麗に刈り、汚れを落とします。 右真ん中辺りにおへそが見えています。 ![]() 中に物がぎっちり詰まって、カチカチに硬くなった胃袋です。 糸で吊り上げ、血管の少ない場所をメスで切って開きます。 ![]() 胃液を外に垂らさないよう注意しながら、 中の物を取り出します。 ![]() 入っていたのは、ビニール製の観葉植物の葉、ナイロンの袋などでした。 右に見えるのは、胃を出す時に妨げになったお腹の中の脂肪です。 ![]() 胃袋の切った部分を、漏れが起こらないよう二重にしっかりと縫い合わせ、 さらに上から大網というお腹の中にある膜を縫い止めます。 ![]() お腹の中を温かい生理食塩水で何度も洗った後、 内側の膜を縫い合わせ、その後皮膚を縫い合わせます。 ![]() 縫合終了です。 ![]() 現在は、流動食から少しずつ形のある食べ物へ移行しています。 熱も下がり、甘える余裕も出てきました。 お家にお返しできる日も、遠くないかと思います。 以上が手術の流れになります。 大抵の猫ちゃんは、ゴミ箱を漁ったり、スーパーの袋やぬいぐるみ、 細長いひも等を噛んでボロボロにして遊ぶのが大好きです。 その一部を飲み込んでしまい、胃や腸に詰まったり、吐き戻しや便で出せなくなった場合、 全身麻酔の上、内視鏡や開腹手術をしなければ改善は望めません。 タイミングを逃すと、胃や腸に穴が開いて激しい腹膜炎を起こし、 命を落とすこともあります。 ちょっとした油断が、とんでもない大事を引き起こすことがあります。 もちろん、何でも口にくわえたがるワンちゃんも要注意です。 拾い食いのくせのある子は、除草剤、ネズミ駆除薬などで中毒を起こすこともあります。 くれぐれも、皆さんご注意ください。 同じ様な大変な事態になってしまう子が少しでも減るようにと、 快く写真の掲載を許可してくださった飼い主様、及び猫ちゃんに、 この場を借りて改めて感謝いたします。 |
猫ドア
2012 / 04 / 17 ( Tue ) 開業から半月が経過しました。
少しずつ、ワクチン接種以外の方も来て頂けるようになってきました。 件数が少ない分、一人一人のお話をじっくり時間をかけて聞ける事は、 診療をする上ではすごくありがたいです。 ![]() 全然関係ないのですが、うちのペットドアを紹介します。 マグネットが付いているので、常にピシッと真ん中で止まります。 写真のなおは怖がりなので通れるようになるまで2,3日かかりましたが、 好奇心旺盛な長男のにいは数分でマスターしてしまいました。さすがです。 末っ子のゆきは、理解して通れるようになるまで一週間以上かかりました…。 ちなみに、右手の毛が無いのは、先日麻酔をかけて歯石取りをした時に、 点滴の針を設置するために毛を刈ったからです。 生えそろうまで1、2ヶ月程かかりますが、安全性を高めるためには重要な事です。 それでは、明日からまた一週間、一生懸命頑張ります。 |
歯石について
2012 / 04 / 08 ( Sun ) 早いもので、開業からちょうど一週間が過ぎました。
ワクチン接種等の健康な子がほとんどで、これと言ったトラブルもなく、 少しずつ流れに慣れてきている感じです。 そういえば昨日、うちの猫の麻酔下スケーリング(歯石取り)を行いました。 手早くやって、覚醒も問題なしでした。 今週中にあと2匹もやる予定です。 歯石は口臭の元になるだけではなく、 血液に細菌をどんどん垂れ流し状態となり、 最終的には心臓や腎臓などを傷める要因となります。 歯茎まで症状が進むと、グラグラになって抜け落ちる事もあります。 口腔内ケアは、人と同じで、健康で長生きするためには非常に重要です。 ペースト状のフードや人間食は歯垢、歯石が付きやすいので、 出来ればドライフードのみが望ましいです。 歯磨きを毎食後するのが理想ですが、難しければ歯磨きガムを 適度に使うことも効果的です。 うちの子も歯石がガッチリ、口臭きつい、などでお悩みの方は、 一度ご相談頂ければと思います。 |
嵐の集合注射
2012 / 04 / 03 ( Tue ) 今日は初休診日でしたが、初狂犬病ワクチン集合注射の日となりました。
獣医師会から支給されたジャンパーを着てキャップをかぶり、 昨日吸っておいた100本のワクチンをクーラーボックスに入れ、 爆弾低気圧とかいう物騒な名前の気候の中行って参りました。 途中バス停が倒れてたり、何だかよく解らない物が空を飛んでたり、 電線にからまって垂れ下がった紐を避けたりしながら最初の目的地へ。 意地でも注射されたくなくて飼い主さんを引っ張り回す子、 首輪がすっぽ抜けてそのまま一人で家まで帰って行った子など、 それなりに大変でしたが、結構楽しかったです。 午後に開設届を提出しに運転していたら、 いきなり街路樹が目の前にボッキリ折れて倒れてきたのにはさすがに驚きました。 ニュースを見ると、富山県は死者も出てしまうほど風がひどかったんですね。 とりあえず、無事に終える事ができて良かったです。 |


















